特集 地域看護を考える
地域看護の現状と問題点を考える
病院保健婦の立場から
松下 和子
1
1聖路加看護大学
pp.260-265
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
正直いって私には「地域看護とは」ということはつかめていない.学会の講演や諸先輩の先生方の論文などから勉強させて頂いている現状である.昨年4月から日本看護協会の昭和50年度学会企画委員として,11月大阪で予定されている「地域看護分科学」の担当となった.49年度の委員からの引きつぎに「地域看護即公衆衛生看護」という看板のぬりかえではない,そういうイメージでとらえられがちな現状を何とか正しい概念に導いてゆくような企画をとの話もあった.私ども担当者自身にも地域とは何か,その中での看護とはなど基本的なことがよくわかっていないので要請通りの企画にもってゆくのに自信がもてないでいる.昭和48年福井で開催された公衆衛生看護学会で,橋本秀子先生司会,小林富美栄,田中恒男両先生を助言者として「地域看護を考える」というシンポジウムがあった.司会者の言葉の中に,「地域看護という活動が看護間で話題にのぼるようになってからまだ日が浅い.この活動を我国の実態に即して適用しようとする時多くの解決すべき問題がある.今日地域看護という名で語られている活動は正直のところ各種各様で,共通の理解がない.またそれを支える方法論や技術論に欠けている.今それを提示するのはまだ困難である.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.