混合病棟における看護管理と学生指導
1.受持制看護管理
甲斐 ナミ子
1
,
原口 悦子
1
,
小川 光代
1
,
伊藤 紀美栄
1
1九州厚生年金病院
pp.63-68
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905445
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はじめに
看護は,看護を受ける側の患者と,看護をする側のナースの完全な人間関係の確立により,効果的に達成されるものである。
患者は,病気の如何を問わず,肉体的のみならず,精神的苦悩者でもあり,同時に家庭的,社会的に多くの問題を負っているものであるから,その人間的不安や苦悩,欲求などは健康人以上に多く,しかも深刻なはずである。しかしながらこのような患者自身に秘められた問題を,患者はみず知らずのナースに,すべてを告白し援助を求めるであろうか。患者がナースを信頼し,両者の間により親密な人間関係が生まれて始めて明かす問題が少なくないはずである。しかもこのような問題の発見や解決が,患者の疾患の解明や治療の改善に極めて重要な鍵となることが少なくないことは,今さら述べるまでもあるまい。患者とナースの人間関係の確立には,日常ではまず,何より患者によく接することであろう。接触なくして人間関係は生じえないし,接触が多いほど両者の関係は親密の度を増す。したがって看護の第一歩は患者への接触といわねばなるまい。
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