特集 授業研究のすすめ
東京都立看護専門学校における「授業研究」研修の実際
中山 富子
1
1東京都立南多摩看護専門学校
pp.24-31
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102601
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
教育の質は,教員集団の質の高さに左右されるといわれる。そして看護基礎教育を担う看護教員は,講義や演習,臨地実習指導において授業実践力の向上が求められる。もちろん看護教員は,授業の実施に向けて,授業案を作成し,教授内容の精選や方法の選択を行っているが,効果的・効率的な授業を実践するには,こうした個人の努力に留まらず,教育内容や方法の継続性や一貫性を保つうえで教員間の議論や調整が必要となる。
しかし,看護教員の業務量は多く,授業準備に費やしたり,教員間で議論・調整したりする時間が十分に確保されているとは言い難い。現在7校ある都立看護専門学校(以下,都立看学)の場合,毎年異動に伴う授業分担の変更が行われるため,専門領域を継続できるとは限らないという悩みもあった。
そこで,こうした授業運営上の課題を緩和し,よりよい授業の実践に向け,2003(平成15)年度から専任教員の職場研修の一環として,複数校(当時10校)のスケールメリットを活かし,学校を超えて横断的に取り組む「授業研究」をスタートさせた。その時々の状況に合わせて若干の調整を行いながら実績を積み重ね,今年度で11年目を迎えた。以下に都立看学における「授業研究」研修の取り組みを報告する。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.