連載 看護教員の資質向上をめざして 都立看護専門学校における取り組み⑥
授業研究の取り組み
林 慶子
1
,
網野 寛子
2
,
斎藤 茂子
3
,
村杉 登志子
4
,
雑賀 美智子
5
,
佐藤 治代
6
,
瀬下 文子
4
,
成瀬 かおる
7
1松沢看護専門学校
2北多摩看護専門学校
3府中看護専門学校
4南多摩看護専門学校
5荏原看護専門学校
6青梅看護専門学校
7広尾看護専門学校
pp.722-726
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100469
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はじめに
都立看護専門学校専任教員に対する研究能力の育成プログラムは従来から比較的整備されていたが,教育能力の育成プログラムは教育技法の職場内研修しかなく,しかも十分に活用されていない状況であった。そこで,資質向上対策検討会の報告を踏まえて平成15年度より年間12日間定められていた「研究調査」が見直され,新体系では,「短期臨床研修」「授業研究」「情報処理研修」「自主的研究」等を含むものに改訂され,実施されている(図1)。
看護教員であれば誰もが充実した授業を目指したい。そのためには,教育課程に基づく科目・単元目標の明確化,教授内容の精選,教材の工夫等が必要である。教員は効果的で効率的な授業展開を目標に,学習指導案を作成し,実践・評価を行い,それを授業の修正・改善につなげようとしている。そこには,教育内容や方法の統一性・一貫性を巡る教員間の議論と調整が求められる。
ところが,都立看護専門学校(現在8校)のように教員数が多いところでは,異動に伴う分担授業の変更が毎年繰り返され,専門性が高まりにくいという悩みがある。また,議論の時間も授業準備の時間も,十分に保証されている訳ではない。 そこで,こうした授業運営の課題を解決するために,複数校(15年度10校)のメリットをいかした「授業研究」が創設された。各看護学領域 (以下カテゴリー)での学校を越えた横断的な情報交換は,教員の授業設計と展開,評価等に活用され効果を上げている。
看護基礎教育分野における専任教員の研修制度としては初めての試みである「授業研究」の概要と,平成15年度の実施結果について報告する。
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