特集 指導性
思考の独立をはぐくむ方向で
宮田 千代子
1
1県立広島高看
pp.8-12
発行日 1963年9月1日
Published Date 1963/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904427
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今後の看護婦への期待
医師に代わり常時患者のかたわらにあって観察にあたり,臨機応変の処置を必要とする時期を判断するなど,直接患者の生命を預かる立場として,准看護婦や看護助手その他の職員を指導し,医療チームの中心となって円滑な業務を遂行してゆくためには,教養と管理,指導能力のある看護婦が要望せられる。これは昭和35年3月,日本看護協会が看護婦教育制度ゼミナール実施低結果表明した声明である。戦後,看護婦の教育が看護婦法のもとに統一されて,専門職業としての業務の重要性を社会的に認められつつあるとはいうものの,まだまだ諸外国におけるような社会的評価は得られていない。
その上,業務低複雑性,特に夜間業務のあることが主婦と職業の両立を困難にしているために,せっかくこの道を目ざして看護教育をうけたものにさえ,長く仕事に従事する意欲を失わせている。このような不利な条件をかかえているこの職業を選ばせ,また選ぼうとする社会人は少ないのである。どうすればその意欲を持ち続けさせることができるか,また看護婦という職業を選ぶに足る誇と,社会的評価を得ることができるかを考えるとき,教育制度についても,また業務についても根本的に整理改訂しなければならない時期に至っているように思われる。
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