連載 私がストーマ・ケアに魅かれる理由・5(最終回)
独立、そして開業看護婦として
大村 裕子
1
1東京オストミーセンター
pp.280-283
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904771
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癌研病院にストーマリハビリテーション室が開設されたのは1986(昭和61)年ですが,この年に聖路加国際病院でETスクールがスタートしました.聖路加ETスクールは1年に1回,6〜8名の受講生を対象に開講しますが,6週間の開講期間に3週間の講義と3週間の臨床実習を行ないます.ETスクールがスタートした当初には,実習中に受講生は100例のストーマ患者のケアを経験しなければならなかったため,癌研病院も実習指導病院としてお手伝いすることになり,私も指導者として実習指導にあたることになりました.
当時は,ストーマリハビリテーション室として独立したばかりでしたからETとして各病棟への出入りが必ずしもうまくいっていたわけではなく,責任者にはなったものの各病棟とのやりとりで孤軍奮闘していましたから,ETスクールの実習場としての環境を整えるために実習指導者としてずいぶん苦労しました.病院としてETスクールの実習を受けておきながら,どうして私だけがこんなに苦労しなければならないのかと疑問も感じましたが,それでも全国の病院にストーマリハビリテーションの発展に貢献してくれる看護婦が1人でも増えてくれることは喜ばしいことでしたから,その時点でできる限りの交渉をして実習生を迎えました.
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