特集 生活指導はどうあるべきか
看護学生に生活指導は必要なのか
早坂 泰次郎
1
1立教大学
pp.4-7
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904410
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指導(ガイダンス)ということばがアメリカから輸入され,日本の教育界にもちこまれてから15年以上にもなる。“ガイダンスの講習会に出席せよ”と校長から命ぜられたものの,当の校長も,命ぜられた教師も,何のことやら見当がつかず,何かのダンスだろうと想像してとりあえず運動靴だけ持参した,などという笑い話は,すっかり過去のことになってしまった。生活指導ということばや考え方は,今では教育界はもちろん,産業界にも根をおろしている。また事実生活指導の重視は教育の体制をすっかりかえてしまうほどの大きな影響をあたえている。たとえば,私の関係している大学教育における学生指導体制(SPS:Student Personnel Serviceとよばれている)における学生部のありかたはその一例である。戦前の監視機関的な学生課しか知らない人は,現在の学生部の機能や,学生部職員のものの考えかたがなかなか理解できないであろう。こうした落差は生活指導の考えかたがひろく受けいれられた現在でも,いろいろな場面で問題をかもし出すことが珍しくないようである。
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