特集 現代看護学生の行動と指導
学生の生活指導
古屋 かのえ
1
1国立東京第一病院付属看護学院
pp.32-38
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905784
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●自主性の育成が必要
私は,一つのものの理論というものは,実際の生活への道具だと思います。だから,その理論,原理というものを,実際に手あかをいっぱいつけて,実際の中で使ってみて,そして,それが生きたところの道具であり,ほんとうの原理であったということが,初めてわかるのであって,実際を知らない人が,どんなどろ沼の中に足が入っているか知らない人が,非常にきれいなところで,アクセサリーのように飾りもののような理論を並べて,きれいに議論をされましても,それは,私たちの厳しい現実の中の理論とは,やはりギャップがあると思う。そういうものをそこまで持っていくのに,自分たちが,なおどういう努力をせていかなければならないかが,一番大事な課題でございます。そして,今いわれたような,理論立った基本的なもの,そういうものを私たちの現場の中へ使って,手あかをつけて,より確実なものにしていきたい。それが,現在の私たちのおかれている立場でないか。こういうように思うんです。
みんな専門家でいらっしゃることですし,いまさらそんなことをと,いわれるかもしれませんけれども,吉本先生もそうおっしゃられましたけれども,生活指導というような教科はないわけです。少なくとも,ある教科を教えるという場合には,こういうことを教えるという内容が与えられるわけですけれども,生活指導にはそれがないわけなんです。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.