特集 学生の意識を知るための調査
学生の気持ちを理解するために必要なこと
堀 喜久子
1
1東海大学医療技術短期大学看護学科
pp.415-418
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900851
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気持ちがよい,落ち着かない気持ち,気持ちが良くないなど,様々な形で表現される“気持ち”とは,いったいどのようなものだろう.日常生活の中で私たちは多くの出来事や物事に出会い,その時々に何かを感じる.その感覚とそれに続く感情は思い返しても違うし,同じようなことがあっても状況が少し違ったり,こちらの受けとめ方などで変わったりする.「人間は感情の動物」と言われ,個人の内部で生じる経験が,その人自身の考えや行動を変化させる原因になる.“気持ち”は,心のありようであり,人の行動をつき動かす感情と定義することができるだろう.
教育の場は,教育される者と教育する者との関係の場である.両者の間にどのような気持ちが生まれ,消えるのだろう.どのようにしたら学生の気持ちを知り,教員の気持ちを伝えることができるのだろう.教育の現場で常に困ったり悩んだりしている私自身であるが,学生と教員の気持ちについて考えていることを述べてみたい.
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