特集 慢性疾患—明日の公衆衛生のために
癌の看護及び生活指導
尾子 きよ江
1
1癌研究会附属病院内科
pp.57-62
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201173
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I はじめに
癌研附属病院内科に勤務致し,日常忙しく癌治療の仕事を致しておりますが,いつたい癌患者の看護や生活指導はどうすればよいでしようと,あらたまつて尋ねられますと,はたと困つてしまうのでございます.癌の治療は実際むつかしく十人十色のようでございますし,従つてその看護も多種多様で,手術により全治を約束されるような場合もあり,手術しても最早や手遅れであつた場合もあり,或は一時の延命的手術に終る場合もありますし,時には手術の出来ない臓器に出来た癌になられた方もありましよう.それでその時,その人に当つて夢中になつて最大の努力をしているというのが現状でございます.そのあらゆる場合についての看護を述べますことは,仲々大変なことでございますので,このたびは当病院内科に人院して,諸検査の結果,胃癌と診断され,外科手術を行う患者及び,手術不能患者に大切な精神面の看護の要点と,家庭に於ける生活指導の一端を述べさせていただきます.
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