特集 卒業期の学生指導
レポートの書かせ方
高橋 百合子
1
1東京逓信病院付属高看学院
pp.5-8
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904322
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Iはじめに
レポートの書かせ方(特に卒業期を前にしての卒業論文といったものについて)について何か書くようにと依頼を受けたものの,つくづく書くということの苦痛を感じている。ただ楽をして書くというのでなく,書くということによって,自分にも人にも新しい考え方を創造してゆくことが文章を書くことに価することだ,と思って勇を鼓して書いてみた。書く,まとめるということは苦しみであるとともに,限りないよろこびがあるからである。そんな意味からも学生に指導する場合は〈書く〉という入口の苦しみをできるだけ早く〈突破する〉ように努力させ援助する必要があると考える。書きなれつつ,いかに書いたらよいのかを研究させ,実行に移してゆく。また読む人にその内容が正確に理解できるように,そして切れ味よく表現して,書く力を十分にのばしてゆくように援助することが大切である。
〈理解できるように〉書くのは非常に重要なことである(注1)。
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