連載 「書く力」で“ステキな看護師”をつくろう 初年次から始められること・7
実習レポートを書くためのアドバイス―「書く」ことで,客観的視点と論理的思考のトレーニング
松岡 志帆
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.896-901
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102225
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はじめに
臨地実習は,看護学を学ぶうえでは欠かせないものである。この臨地実習で,看護活動を展開するために記載する看護記録のほかに,実習後にレポートを課すことがある。
私は,2年次以降の実習を指導するなかで,実習中に非常に優れた関わりを行った学生が,実習後のレポートに,その良さをまったく記載できていない様子をよく見かけてきた。学生自身からは,「書くことが苦手」「時間が足りなかった」「臨地実習における実践はいいが,実習後のレポートが嫌いで書く気が起きなかった」という言葉が聞かれ,レポート課題を負担に感じていることがよくわかる。しかし,教員としては,看護記録だけでなく実習レポートを書くことによって,学生の学びを深めたいという意図がある。
今回,私は,初年次の学生に「実習レポートを書くコツ」に関する授業を実施した。本稿では,この授業内容と授業を聴講した学生の反応を報告し,「実習レポートの記載」という視点から,学生の「書く力」と“ステキな看護師”の関係について検討したい。
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