連載 限りある命をおしんで・11
ふるさとの人
工藤 良子
pp.65-66
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911613
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何年ぶりかで故郷の土を踏んだ。
足のおもむくままに昔お世話になったことのある某私立病院を尋ねた。すっかり改装されて昔の面影はなく,松の大樹も朽ちたのかどこかへかたづけられてもう姿はなかった。守衛のおじさんだけが好々爺となってまだ元気な案内役をやっていた。私は親しく声をかけたが知っていてくれるはずはなかった。
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