看護教育研究
大学院授業科目における「インターネット活用による遠隔授業方式」試用の事例
華表 宏有
1
1聖隷クリストファー大学看護学部
pp.732-736
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903916
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はじめに
近年における情報通信技術(IT)の急速な進歩と世界的規模で進行している情報ネットワーク社会構築の動向に対処するため,わが国の政府は「IT基本法」(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)に基づいて「IT戦略本部」を発足させ,2001年1月に「e-Japan戦略」,3月には「e-Japan重点計画」(高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重点計画)を策定した1).一方,少子高齢社会における保健医療福祉の需要充足を目指した大学レベルでの人材養成計画は,統計上着実に進展しており,修士課程を併設する大学もかなり増えてきている2).
文部科学省の大学審議会答申3)で,これからのグローバル化時代に対処するため,高等教育の在り方についての見直しが行われ,「インターネット等の情報通信技術を活用した授業」の重要性が指摘された.この授業方式は,看護領域の有職者を対象とした生涯学習の一方策として,検討の余地が十分にあると考えられる.しかし,1998年当初におけるアメリカ合衆国の看護系大学を対象とした調査4)と,翌1999年後半に行われたわが国の看護系大学院を対象とした調査報告5)を比較すると,両国の間に歴然とした格差があり,わが国の看護系関係者では,まだ「時期尚早」5)と受け止められている.
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