グラフ
仮設住宅で2年目の冬を越す
pp.83-85
発行日 1997年2月25日
Published Date 1997/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903776
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1995年1月17日の阪神淡路大震災から2年.復興する神戸,がんばろう神戸と報道されて久しい.しかし,この国では天災による被災にたいして個人への補償はしない方針だといい,被災者はそれぞれの境遇のなかで自助努力によって生活を立てなおして,今日まで命をつないで来ざるを得なかった.
神戸市営地下鉄の終点,西神中央駅からバスで20分の第7仮設住宅,ここには120棟1060戸が建ち,取材した11月23日現在780世帯,1600人が生活している.仮設と呼ばれるからには仮の設営で不思議はないのだが,道路を隔てて隣に広がるニュータウンの街なみとの対比に,胸をつかれる.そこでの暮らしが丸2年にも及ぶという状況は,生活基盤を土台からひっくりかえされ,焼け出された被災者の,他に求めようにも求めようがない窮状を物語る.
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