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【シンポジウム:体験をふまえた災害看護学発展への提言】
仮設住宅でのボランティア活動〈「人間」と「生活」を視点に〉
Volunteer Relief Work in Temporary Housing Area: "Humane Life" always in sight
黒田 裕子
1
Hiroko Kuroda
1
1三重県立看護大学
pp.3-9
発行日 2000年1月30日
Published Date 2000/1/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200318
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はじめに
阪神・淡路大震災は一瞬のうちにも6千人の命を奪い取った。そして、その後も関連した死亡者が発生し続けている。避難所より仮設住宅に入居が増えるに従って発生した社会問題に、仮設入居者の孤独死があった。多くの仮設住宅は生活の利便性が悪く、またコミュニケーションから切り離され、あたかも陸の孤島であった。65歳の男性が、死亡2ヵ月後に腐敗臭によって発見されたり、二次的な災害として、自殺も多くなっていた。我々ボランティア組織、阪神高齢者・障害者支援ネットワークは、神戸市内・外において最大の西神第七仮設住宅(戸数1060戸 住民1800 人 65歳以上の住民9割 65歳以上独居者450名 子供60名)に活動の拠点を構え、平成7年6月15日から仮設住宅の中に80平方メートルの生活型テントを設営し、周辺仮設住宅3000戸を24時間体制で支援活動を継続してきた。我々が仮設住宅でボランティア活動をしてきたのは、研究目的ではなく、「ひとりの人としての命を重んずる為」であり、その必要性を感じたからである。
西神第七仮設も平成11年9月27日において全ての住民が転出した。ここに、仮設のなかで見えてきたこと、更には、仮設から恒久住宅へ移行する中での、新たな活動展開などを踏まえて、実践した事実をそのまま述べるものである。
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