連載 医者ときどき看護師・20
レンズ越しに見えたもの
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.800
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101560
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- 文献概要
私のいる病院では電子カルテを使っている。ログイン画面でもあるそのトップページには1枚の写真が載っているが,実はそれが週替わりで別のものになる。今回は見事に咲いたナスの花,前回は病院の屋上庭園でひっそり(こっそり?)栽培しているキュウリ,みたいな感じだ。野菜が続いたのは単なる偶然なのだけど,病院の建物と桜のままだったその写真が入れ替わるようになったのは,ほんの1年ほど前だ。
現在,病院内にはいくつかの同好会のようなものが存在している。好きなもの同士が集まって,テニスをしたりゴルフをしたり,あるいはバンドを組んだり野菜を育てたり。何を隠そう,冒頭のキュウリも,「農作業部会」の方々が丹精込めて育てたものなのである。1年ほど前,そんななかに「写真部」が加わった。病院長を筆頭に,カメラ好きのメンバーが思い思いに撮影した写真から何点かを選んでカルテの表紙に載せたのである。電子カルテの表紙の写真が変わるようになったのはそのためだ。
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