連載 看護学教育の組織運営論・1【新連載】
なぜ組織運営なのか
杉森 みど里
1
1千葉大学看護学部
pp.769-773
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903775
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はじめに
戦後,看護婦養成教育の改革期に行なわれた看護婦指導者講習会のカリキュラムは,「一般学校管理」及び「看護学校管理」という科目をセットにして提供していた.数十年経過して,教育学のなかの「一般学校管理」という科目は,多くの教員養成プログラムの主要科目からいつの間にか姿を消した.
最近ある看護教員養成講習会のカリキュラム内容審議において,「看護学校管理」という授業科目を見直したいとの提案があった.このことを耳にしたとき,この提案は学校管理という用語がもういくらなんでも古色蒼然としていることに起因するものであり,「学校経営」という用語がかなり普及してきて,いよいよこの講習会においても「看護学校経営」と改称することになったのかと思った.会議が進むにつれ,その理由は医学部付属看護学校が短期大学に昇格し,看護学校が極めて少なくなったからだとわかった.またこの提案の背景には,「看護学校管理」を「看護学校の管理」と考えて実施していたという事実があることも,質疑の中から明らかになった.同時に筆者はこの用語の対象を,学校教育法第1条に規定された学校をはじめ,第82条の4-②による専門学校1)をも含めた教育機関と考えており,短期大学も大学をも含む,「看護系の学校」を包括して看護系の教育機関の管理ととらえていたことも明らかになった.
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