特集 中央検査部
検査部門の組織と運営
小酒井 望
1
1順天堂大学・臨床病理学
pp.19-24
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203319
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病院において「臨床検査の中央化」が叫ばれ,中央検査室の重要性が強調され始めてからすでに20年近くなった。この間わが国の病院における臨床検査の中央化は急速に進展し,今では「中央化」の原則に反対する人はほとんどなく,「中央化」は当然のこととして受け取られるようになった。近代医療における臨床検査の重要性もさることながら,病院収入において臨床検査の占める比率が少なくないことが,病院において臨床検査部門の充実を促進するという皮肉な現象も現われてきている。
中央化の必要性が認識され始めた当時は,病院はきそって「中央検査室」をつくり,機械,器具を置き,技師を集め,やれ一段落と考えたところが多かった。しかしこれだけでは,検査室が病院の期待するだけの十分な働き(検査成績の信頼度についても,作業量に関しても)を果せないことが次第に明らかになってきて,検査部門の組織と運営の合理化が改めて強調される昨今である。そこで私は検査部門の組織と運営の問題点の2,3について解説することとする。
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