医療の質の評価と改善 組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・6
組織運営の品質
今中 雄一
1
1九州大学院医学系研究科医療システム学教室
pp.280-282
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902066
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経営品質賞の重要性
医療の質と効率の向上を継続してくためには,病院にその技術と文化が根づいていなければならない.その組織運営あるいは経営を評価する枠組みを本論のテーマとする.
わが国の品質に関する褒賞制度では,有名なものは伝統あるデミング賞である.同賞の枠組みやモデルは日本の産業のものづくりの品質を押し上げ,国際社会の中で日本製品を安いが劣悪というイメージから高い品質といつたイメージに押し上げていった一つの推進力となった.しかし,現在の経営環境からすれば,どちらかというと同賞の評価の枠組みはものづくりの過程に焦点が絞られ,実際に経営状態に反映しない例が存在したり,組織体全体の経営・運営の品質をみるにはふさわしくないという指摘がなされだした.こういつた背景のもと,日本経営品質賞が設立され,経営すなわち組織運営の品質について,それを向上する枠組み,評価する一つの枠組みが呈示された.ちなみにその発展過程では顧客価値経営賞と名付けられていた.
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