特集 学生の心をとらえる授業の工夫
模擬患者(Simulated Patient)を用いたインタビュートレーニング
白浜 雅司
1,2
,
井上 悦子
3
1佐賀県三瀬村国民健康保険診療所
2佐賀医科大学
3佐賀医科大学医学部看護学科
pp.271-275
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903742
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はじめに
筆者の1人は,人口1800の山村の診療所の所長として働きながら佐賀医科大学の非常勤講師として医学生と看護学生の教育に当たっており,日常の診療において医師と看護職との連携の重要性を痛感している.また看護教育者にとって,学生が意欲をもって学習し,将来医療チームの一員として看護の専門性を発揮できるように育てていくことは重要課題である.そのため学生の心をとらえるさまざまな授業の工夫が必要になってくる.
佐賀医科大学では1つの取り組みとして,看護学科1年生に対して模擬患者(Simulated Patient,以下SPとする)を用いたインタビュートレーニングを行なった.きっかけは白浜,井上の2人が「SP利用のための国際ワークショップ」(ライフプランニングセンター主催)に参加して,いつか医学生や看護学生にこのような体験学習をしたいと望んでいたことに始まる.一昨年,医学科4年生の臨床入門講義の中で,SPを用いたインタビュートレーニングを奈良県立医大の藤崎和彦先生と大阪SP研究会の方を呼んで始めた際,看護学科1回生にも特別講義を組んで,インタビュートレーニングを体験してもらうことになった.ここでは看護学生に行なったインタビュートレーニングの成果と今後の問題点について,授業を受けた学生の感想などを参考に報告したい.これから模擬患者を用いた授業を考えられている方々の参考になれば幸いである.
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