特集 学生の心をとらえる授業の工夫
私たちが行なっているTeam Teaching―基礎看護技術教育での試みから
中津川 順子
1
1三井記念病院高等看護学院
pp.267-270
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903741
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基礎看護技術にTeamTeachingを導入した趣旨
当校が入学時に行なう学生の学習形態・生活体験・看護体験・関心や習得度・学習速度に関する調査結果では,顕著な個人差が見られます.この質的・量的な個人差は2年課程の特徴ともいえますが,それだけでなく「学ぶこと」や「生きること」に対する価値観の多様化・個別化といった現代社会の影響を受けて,今後も続いていく現象ともいえるでしょう.そして,このような学生の個人差を学習上の可能性と捉え,1人ひとりが成長できるような学習環境を準備したいというねがいを私たちは持っています.
現代の学生には,他者の指示や“Que”・外的動機づけで学習行動が生じやすいこと,結果重視の教育を受けてきたためか自らの意思で問題を発見・解決する学習方法を習得できていないといった傾向を感じています.そのため,自ら課題を主体的に見いだし追求する自己教育力を獲得し,その過程で自分の可能性も発見して欲しいと考えています.さらに看護技術は,臨床場面において,ケアや観察の技術が単独で実施されることがなく,流動的な場面の中で使うという学習材の特性があります.
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