調査・研究
看護学生のターミナルケアを通しての自己洞察の分析
土屋 八千代
1
1山梨県立看護短期大学
pp.714-719
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903714
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はじめに
看護教育にとって臨床の場は生きた教育の場である.学生は実習における悩みや苦しみまたは楽しみを経て成長していくものであり,なかでも患者や家族との関わりからの学びは図りしれない.特に臨死期の患者を受け持った場合は,希望を持った退院を目指せないだけに,学生の混乱や苦悩・無力感は大きく,時には挫折感に陥っていく者も多いが,それを乗り越えることで学びも一層深くなる1~5).
当校の成人看護学での臨床実習における「臨死期の看護」は,表1に示す目標のもとに,2年次後半から始まる臨床実習で,患者の状態と学生の準備状態に応じて,患者を選択し看護過程を展開させている.この単元は,臨死期の患者を受け持つことで,自分に生じている感情を自己洞察し,患者・家族にとってのよりよいケアを考えることを目標にしている.
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