調査・研究
看護教育における対応の教授法の検討―紙上事例に対する学生の対応の傾向
犬童 幹子
1
1大阪府立看護大学医療技術短期大学部
pp.720-725
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903715
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はじめに
看護状況における患者への対応は,まず援助者が患者を知的側面・感情的側面・行動的側面1)から理解するよう心がけ,人間関係を発展させる能力を持ち合わせることが大切であり,同時に患者の健康問題を評価し,専門的看護知識や技術を応用しながら,健康の維持・回復に向けて援助を展開させていく必要がある.しかし,学生は臨床実習では専門的知識や技術を活用するにしても,まず,自分と向かい合った患者の態度や行動に対して何らかの言葉かけをしなければならず,そのため学生の臨床実習前の不安は,患者にどのように話したり,対応したら良いかという内容のものが多く見られている.したがって,学内学習から臨床実習に移行する際には,看護過程の演習とあわせて,患者の対応についての学習も実施する必要を感じている.
その学習方法を検討する一環として,事例に対する学生の対応を調査し続け,その一部を報告しているが2,3),今回は3か年にわたるの2年次の対応の傾向と,同じ調査対象学生の2年次と3年次各論実習終了後における対応の変化について調査を行なったので報告する.
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