連載 実習を「教育」として位置付けるために・1【新連載】
「課題学習」の導入―自主性を重視し,問題解決能力を養う
齊藤 ゆみ
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.694-699
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903710
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実習教育の現状とその問題点
1990(平成2)年度から実施された新カリキュラム改正の主旨と理念として,看護教育を「教育」たらしめんとする強い要請があったことは十分に理解できる.この要請は1967(昭和42)年度の改正においても同様であった.しかし,20数年来,それは簡単には達成し得ていないようである.
新カリキュラムが発表された前後,看護界は一種の混乱さえ生じていた.「看護をどのように教えれば新カリキュラムの意向に沿った看護教育になるのか」「看護は医者ではなく,『看護』の内容を看護の教師自身が教育すべきだ」「いったい,私たちにその力量はあるのか」「看護の実情を無視して押しつけられては困る」など.しかし,これらの不安や不満は実際に実施されるとあまり聞かなくなった.それはそれぞれが十分な回答を得て,新カリキュラムを実施している結果であろうか.
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