扉
自主学習
戸谷 重雄
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1慶応義塾大学脳神経外科
pp.699-700
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202860
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最近数年間は私共の大学でも卒前教育の見直しに迫られ,従来からあった教育関係の委員会すなわち教育委員会,学務委員会の他に,昨今の委員会ばやりにならって,学部長直属の教育刷新委員会,教授会下部組識としての総合授業小委員会,カリキュラム小委員会,自主学習小委員会などが生れ,私もこの中のいくつかに関係した.そして約2年間にいろいろな議論が尽されて,新しい教育カリキュラムが発足することとなった.その中での目玉は自主学習という制度を新しく設けたことである.
なにしろ,私たちの大学では授業への学生の出席率が悪い.基礎科目の出席はまあまあといわれているが,臨床科目では,臨床実習は別として,各論系統講義と称するものの出席は悪い.一般論としてよくいわれる様に,講義に魅力が無いとか一部反省をこめて議論もされたが,結局それだけではないことがわかった.というよりはむしろ根本的な原因はわからなかった.勿論出席をとったり,小試験を繰返し行なえば出席率はよくなるが,大学教育でありながら出欠ばかりとるのは潔しとしない向きもあって,この方法は徹底しなかった.そこで,この問題の解決も含めて新しい時代に即応し,かつ先取りするようなカリキュラムを作ろうということになった.
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