特集 学生が主体的に取り組む授業
自己教育力の育成に取り組む―「脳神経障害患者の看護」授業の導入に関する工夫
鈴木 啓子
1
1聖マリアンナ医科大学看護専門学校
pp.349-353
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903661
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教育はこれまで,いかに教育するかに主題が置かれてきた.教師主導型の授業では,主体である学習者がいかに学ぶかといった側面からの取り組みに欠けており,学習者の活動は,静的・受動的なものとなる.最近では,学習者が能動的・主体的に学習活動を行なえる授業についての研究・実践が盛んになり,さらに学習者の問題意識から出発する学習が望ましいことが強調されている.
教育現場においては「自己教育力」とか「自己学習力」「自己啓発」「自己評価」というように,「自己」という言葉が教育用語としてしばしば登場する.これらは「学習者が自ら学ぼうとしない」という,小学校から大学に至るまでの一般的現象・実態に対する教育現場の共通した危機意識から生まれてきたものであり,このような学習者の実態の改善策として「自己教育力」の育成が叫ばれるようになったと思われる.看護教育の現場においても,同様の問題と改善の必要性を痛感している.
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