特集 嫌いな患者—内なる苦手意識の克服
‘好きな患者,嫌いな患者’を授業に導入して—個性豊かな看護婦の育成を目指す
氏家 久美子
1
1国立療養所香川小児病院付属看護学校
pp.166-172
発行日 1986年2月1日
Published Date 1986/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921324
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なぜか苦手だった女性教師まだ若かったころの私
私の夫は,小学校の教員である.時折,夜になって同僚の先生がたから電話がかかる.そのやりとりを聞くともなく聞いているうちに,妙にイライラ気分に陥る時があるのである.その日の私の気分が,そうさせたのかもしれない.しかし,度重なるうちに,私は,ある1つの確実なルールを見つけたのであった.
それは電話の相手が‘女の先生’の場合なのである(これには,決して焼きもちなどという心が潜んでいたとは思わないのだが……).それは女性教師と男性教師との,物の考え方の相違などという会話からくるものではない.生意気な言い方でお許しいただきたいのだが,通常,話のやりとりというものは,お圧いが共有する教育に関する基礎的な知識というものを前提にして交流が行なわれるものであるが,私が聞いていると,どうもそのあたりの食い違いがあるように感じられてならなかった.
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