調査・研究
学生の「脳死」に関する意識調査から・1―看護教育における生命倫理教育の必要性
小濱 優子
1
,
真部 昌子
1
,
常盤 洋子
2
1埼玉県立衛生短期大学看護学科
2同愛記念病院附属高等看護学院助産学科
pp.614-618
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903617
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脳死臨調1)は,脳死容認の是非,臓器移植のあり方に関する最終答申で「医学的に脳死は人の死であり,おおむね社会的・法的にも受容されている」と結論を出したが,臨床の現場は法的な枠組みが不明確なために戸惑い,臓器提供者が現われても移植できないという状況を引き起こしている.
太田2)は,『臓器移植はなぜ必要か』という著書の中で,「脳死を個人の死として認めてしまうと,人の死は全て脳死で判定され,臓器を有無を言わさず摘出されてしまうという誤解が多い」と述べている.もしこのような誤解から脳死を人の死と認めないとするのなら,脳死・臓器移植に関するありのままの情報を提供し,恐怖心や誤解のないように社会に働きかけていく必要があるだろう.
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