調査・研究
学生の「脳死」に関する意識調査から・2―看護婦の地位と責任について考える
真部 昌子
1
1埼玉県立衛生短期大学看護学科
pp.619-622
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903618
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求められている新しい〔責任〕
1992年1月22日,政府の臨時脳死及び臓器移植調査会(脳死臨調)は2年間の審議の結果,脳死は人の死であり臓器移植を認めるという討議結果を総理大臣に答申した.
これより先,1991年11月20日,民間の研究会である生命倫理研究会(代表吉利和)は「臓器の摘出に関する法律」(試案)を発表している.その内容は脳死を人の死と立法化せずに,脳死状態の人からの臓器移植の道を開こうというものである.その中で特筆すべきことは,多くの医学部に設置された「生命倫理委員会」のメンバーには全く参加を認められていなかった看護婦を「脳死確認の立会い」,「署名」の条項に入れていることである(表1).その理由は看護婦の地位を認めようというものであるが,今まで看護婦に課せられてはいない[新しい]責任を求めようという意図があることも事実である.
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