実践報告
「痛み」に焦点をあてた選択科目授業の試み
新田 静江
1
1静岡県立大学看護学部
pp.730-735
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902583
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はじめに
近年,老年人口の増加,医療技術の高度化,疾病の慢性化,医療に対する要望の多様化等,保健・医療を取り巻く社会状況は著しく変化している.このような状況下で,専門領域如何にかかわらず,常に看護婦(士)は,医療機関の内外で,苦痛を除外し,安楽を提供する必要に迫られているという現実がある1,2).また,「国際看護婦協会」の基本文書(1973)では,看護の理念と指針には,「健康を増進し,疾病を予防し,健康を回復し,苦痛を緩和すること」と明示されている.よって,苦痛を緩和することは,看護婦(士)の使命といっても過言ではない.そのため,「痛み」に関する科学的知識をもち,苦痛を緩和するための援助技術をもつ人材育成は,看護教育にとって重要な課題である.
そこで,静岡県立大学看護学部では,「痛み」に関する知識・技術の修得を目標とした授業「特定領域看護」を4年次の選択科目として開講し,4年生の57人中50人が受講した.その授業概要と実際および評価結果を報告する.
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