看護教育研究
看護学生に対する微生物学実習による動機付け
森松 伸一
1
,
柳田 潤一郎
2
,
今西 麻樹子
2
,
尾崎 雅子
1
,
松村 三千子
1
,
十九百 君子
1
,
金川 治美
1
,
長尾 厚子
1
,
鎌田 美智子
1
1神戸常盤短期大学看護学科
2神戸常盤短期大学衛生技術科
pp.318-322
発行日 2003年4月25日
Published Date 2003/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903397
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はじめに
近年,新興・再興感染症や院内感染が注目され医療現場での感染症への適切な対応が求められる1,2)に至り,看護教育における病原微生物・感染症学の重要性が強調されている3,4,5).院内感染や血液媒介感染症に関する文献や参考書は多く,また卒後教育における学習材料も多い.しかし,有効な卒後教育のためには的確な卒前教育がなされていなければならない.また,今後臨地実習で直接患者に接する機会もあることから看護学生は既に準医療従事者としての対応を求められる.
本学における微生物学教育は,病原微生物や感染症に対する興味を持たせるのみならず,スタンダードプリコーションを体得させかつ自ら勉学に励むための動機付けを目標としている.そのような教育の一環として,今回本学看護学科では病原微生物学・免疫学の講義のなかで微生物学実習を試みた.この実習は学生が体表の微生物の分離培養や観察,さらには手洗いの効果や消毒法の検討などを通して,病原微生物の消毒法やスタンダードプリコーションなど感染症および感染制御に関連した事柄への学生の興味を引き出すことによって,自己学習への動機付けをしようとするものである.そこで今回の実習が目標とする動機付けのために有効であったかどうかの客観的評価をアンケート形式にて試みた.
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