連載 医療と社会 ブックガイド・18
出口泰靖・野口裕二
立岩 真也
1
1立命館大学
pp.568-569
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903239
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出口泰靖は,前回あげた野口・大村編『臨床社会学の実践』(有斐閣,2001年)に,「「呆けゆく」体験の臨床社会学」を書いている.また次回その中身を紹介する『フィールドワークの経験』には「「呆けゆく」人のかたわら(床)に臨む―「痴呆性老人」ケアのフィールドワーク」が入っている.彼は1969年生まれの社会学者で,ホームヘルパー2級の資格をもっていて,特別養護老人ホームやグループホーム等で通いや住み込みのボランティアや研修生をしながら,そこから得たものを論文に書いてきた.私は彼が書いたものを読んで,ああそうなのかと思った.
つまり,呆けることがどんなことか,それが少しわかった気がしたのだ.身近にいたり,その人とつきあうことを仕事にしている人は知っていると思うかもしれないが,そうとも限らない.近くにいるから知ろうとしないこともある.
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