JNE DIGEST
完全なオンラインによる看護研究コースの実施/ヒーリング・ウェブが学生にもたらす教育成果―JNE(Journal of Nursing Education)40巻8号後半,9号より
pp.560-563
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903237
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現在米国の看護教育では,学習者に専門的かつ実際的な能力(コンピテンシー)をより効率的に習得させるためのモデルの開発が積極的に試みられ,教育革新ともいえる動向を生み出している.この背景には,通信ネットワークの急速な発達に伴う伝統的な学校システムの見直し,学習レベル・年齢・経歴の面での学習者層の多様化による個別的学習の必要性の増大,速やかで効率的なナース養成への社会的要請などの要因があろう.今回紹介するJNE40巻9号冒頭でコンピテンシー・ベースド・エデュケーション(Competency-Based Education)が今後看護教育の万能薬となりうる可能性が論じられているのも,こうした動向を端的に反映するものといえよう.
さて,JNE40巻8号後半では,まさに「教育革新」という総題で5つの短論文が収載されているが,上記の文脈でいえば,オンラインでの看護研究コース,WACプロジェクト,およびピア・インストラクション(Peer Instruction)という新しいモデルを紹介した3つの論文が注目される.このうちWACプロジェクトでは,書くという行為が学生のクリティカルシンキングとコミュニケーション能力を育むことが報告され,またピア・インストラクションでは,学内実習で初学年生に対し上級生がインストラクターとして指導に当たる方法が初学年生の不安軽減と学力向上に役立つことが報告されている.
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