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—野口 裕二 著—「物語としてのケア ナラティヴ・アプローチの世界へ」
武井 麻子
1
1日本赤十字看護大学
pp.970-971
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906110
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患者を真に気にかける姿勢とは
今,ナラティヴという言葉をあちらこちらで耳にする.2000年の3月,私が大会長を務めた日本集団精神療法学会第17回大会のテーマも〈グループで語ることの意味〉というもので,グループのなかでの「語り」を取り上げたのだった.
そのとき「ナラティヴ・コミュニティとしてのグループ」と題する特別講演を行なったのが,この『物語としてのケア—ナラティヴ・アプローチの世界へ』の著者,野口裕二氏である.ただし,この学会を企画した頃はまだ,ナラティヴという言葉が臨床の場に革命的変化をもたらすようなものであることは感じ取っていても,理論的なところでは今ひとつピンときていなかった,というのが正直なところだ.その証拠に,その会には米国からシステム論に立脚する集団精神療法家を招いてのワークショップが同時に企画されていた.
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