連載 私のすすめる本・2
子どものこと
横井 郁子
1
1埼玉県立大学短期大学部
pp.120-121
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903142
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私にとって「生まれて初めて」という機会はずいぶん減りました.「生まれて初めて見た」「生まれて初めて食べた」と幼い頃には言っていたような気がします.年齢を重ねて体験したからということもあるでしょう.しかし,「未知との遭遇」よりも「馴染み」が勝っているというのが実感です.
食べなれたものを食べ,居心地のいい場所に行く,そんな自分の好み,居場所をみつけた頃,あかんぼが我が家にやってきました.ここから「初めて」体験の復活です.退院の日に「生まれて初めて車を見るんだな」,家に帰って「初めてこの家のにおいを嗅いだんだな」と私の頭の中に「生まれて初めて」がぐるぐる回り始めました.そして私は「生まれて初めて」体験を企画運営するということを生まれて初めて行うことになりました.
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