特集 看護の統合力を筆記試験で評価する
「看護の統合力を筆記試験で評価する」にチャレンジ―出題の意図,実際の問題
横井 郁子
1
1東邦大学医学部看護学科
pp.291-296
発行日 2008年4月25日
Published Date 2008/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100895
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ベッドサイドに立つ1年生と4年生。どこかが違う,何が違う?
大学4年生のYさんの最後の臨地実習が終わろうとしていた。ベッドサイドに立つYさんに,遠くからアイコンタクトを送った。彼女はうなずき,患者の座位保持を介助をする。初めての病院での臨地実習でも同じようなシーンがあったように記憶する。いや,シーンは同じであっても決して同じではない。
4年生の彼女はその患者の「起きたい」という思いを知り,座位をとることでの循環動態の変化による不利益を知り,その後に生じるかもしれない危険性も予測している。それは,学生の目の動き,身体を支える部位,介助のスピードなどを見ていれば推測できる。そしてかなりの緊張を強いられているであろう場面において,できるだけ表情を変えないようにしている必死さもうかがえる。
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