連載 読む
気分次第読み放題・13
—(ダニエル・ペナック著,末松氷海子訳,1999年)—『片目のオオカミ』
横井 郁子
1
1埼玉県立大学短期大学部看護学科
pp.68-69
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903383
- 有料閲覧
- 文献概要
静かなときを過ごしたくなったとき
早朝,天気の良い日には職場から富士山が眺められます.ほんとに小さな富士山ですが,私には十分な眺めです.シンプルないでたちではありますが,何もそばに寄せつけない雄大さを感じ,ただただ黙って眺めてしまいます.おしゃべりな自分を押し黙らせたいときは,富士山の前に行くのが一番のようです.
さびしいのは嫌いという人も,ときには,ちょっと心静かに過ごしたいということがあると思います.そんなとき,静かなところに行くこともそうですが,こんなものを見ると,あるいはこんな音楽を聴くだけで,自分だけの静寂を持てるというものがあるように思います.私にとって富士山はそのひとつですが,富士山の近所に住んでいる患者さんのおばあちゃんには,「そんなもんかねー」と一笑されてしまいました.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.