連載 医療と社会 ブックガイド・12
優生学について・4
立岩 真也
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.44-45
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903127
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優生学について4回目になる.第1回は第二次世界大戦時のナチスによる「安楽死」について,第2回はそれがだいぶ後になって詳しく知られ問われ出したことについてだった.第3回は不妊手術について.これらではまず強制が問題にされる.殺人という究極の強制・暴力があり,また事実上強制に近い状況に追い込まれて不妊手術に応じざるをえない.
もう一つは,「科学」の問違いとしてこれを問題にするものである.そんな本の1冊に『人間の測りまちがい』がある.著者のグールドは進化論で独自の説を打ち出してきた著名な生物学者だが,おもしろい文章を書ける人でもあり,多くの著書があり,その翻訳がある.『パンダの親指」とか『ニワトリの歯』等,変わった題の本(いずれも早川書房)を見かけたことのある人,読んだことのある人もいるだろう.
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