連載 医療と社会 ブックガイド・10
優生学について―ドイツ②
立岩 真也
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.890-891
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903884
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前回,ナチス政権下,第二次大戦時のドイツでの病者・障害者の殺害についての本を紹介した.今回はまずそこで紹介しきれなかった文献をざっとあげることにする.
日本の研究者では木畑和子がこの主題で多くの論文を書いており,後で紹介する『医学と戦争』に「ナチズムと医学の犯罪」が収録されている.また精神科医の小俣和一郎のドイツでの調査もふまえた著書『ナチスもう一つの大罪―安楽死とドイツ精神医学』(人文書院,1995,266頁,2400円)がある.これらのいくつかは,もちろん他の資料にも言及しつつ前回紹介したクレーの博書を重要な情報源としており,その翻訳がなかった状態を埋めるという役割をも果たすものだっただろう.
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