看護教育研究
老年看護学臨地実習の現状と課題
堀口 由美子
1
,
出貝 裕子
1
,
川原 礼子
2
,
細川 満子
1
,
市川 美子
3
,
小笠原 正子
3
,
佐藤 カツ
3
,
豊巻 てつよ
4
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
2弘前大学医療技術短期大学部看護学科
3八戸市立高等看護学院
4(財)双仁会厚生病院付属看護学院
pp.1036-1040
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902645
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はじめに
看護学の基礎教育における老年期,高齢者看護(以下老年看護学とする)は,1990(平成2)年度から看護基礎教育カリキュラムにおいて専門科目に設定された.その背景には,高齢化社会に伴って高齢者に関わる看護教育の実態が調査され,専門化された高齢者看護教育の必要性が認識されたことがある1).また,1996年には,看護学実習は病院での実習のみならず,看護が行われるあらゆる場で,直接患者,家族等に接する実習を推進するため,名称が「臨床実習」から「臨地実習」に,「老人看護学」という名称が学問上では「老年」を用いる傾向があることから,「老年看護学」に改正された2).
老年看護学の学問体系は,現在徐々に整えられつつあると推察されるが「成人・老年」あるいは「地域・老年」など,教育機関によってその位置づけが異なっている現実がある.また,成人看護学との関連では,教育内容の重複も報告されている3).したがって,学生の看護観形成に大きな影響を与える臨地実習に関しても,その環境・内容・評価の面で種々の問題が存在し,担当者は手探りで教育にかかわっている状況が推察される.しかし,老年看護学の臨地実習の現状や問題が明らかに示された報告はなされていない.
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