特別寄稿
自己学習を中心としたヘルスアセスメントの教育―イリノイ州立イリノイ大学シカゴ校看護学部の教育に学んで
城生 弘美
1
,
勝野 とわ子
1
1東京都立保健学大学保健科学部看護学科
pp.1024-1030
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902643
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はじめに
1999年夏,東京都立保健科学大学において,米国より小野田千枝子教授(イリノイ州立イリノイ大学シカゴ校看護学部の米国におけるヘルスアセスメント教育のパイオニアの1人)を招き,教員のための「フィジカルアセスメントの研修」を12回に渡って行った.先生の講義・演習は根拠が明確で,大変わかりやすく,多くのクライエントを診てきた実践者ならではの話が聞けた.
それまで,多くの書籍から学習してはきたものの未消化の部分が常にあったが,小野田教授の研修では知識・技術・態度を丸ごと教えてもらったという深い印象が残った.知識だけではうかがえない,実践に裏付けられた確固たる技術を学習する経験を通して「なるほど,看護職が実施するフィジカルアセスメントとはこういうものか」と目からうろこが落ちるような体験であった.いつか,米国で実際に学部学生へのヘルスアセスメント教育を見てみたいと考えていた.幸いなことに2000年8月末から9週間,イリノイ大学での研修に参加する機会を得た.研修の目的は「イリノイ大学のヘルスアセスメント教育を知る」ことであった.
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