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研究と教育のための病院を訪ねて〔2〕—イリノイ大学
塚本 蝶子
pp.26-30
発行日 1961年3月15日
Published Date 1961/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911280
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看護職員教育のプロヴラム・看護婦の院内教育の1例
1.オリエンティションの意味
病室での看護の内容についての説明を一通り済ませて,ミセス・クビルスキは事務の仕事をしている若い女性に,その病院の職員教育のプログラムのプリントを持つて来るようにと頼まれました。部厚い印刷物は,一つが,看護助手の教育のためのもので,プログラムの概略から,実際にテキストとして各自に渡されるものと,教育にあたる専門看護婦の教材となるものとありました。またもう一つは新入の職員専門看護婦の為のもので,4週問にわたつて行なわれる院内教育のプログラムで,毎日,午前午後に,どのような事柄について,どのような内容で,と具体的なプログラムの構成ができていました。
いろいろな看護教育を,さまざまな学校や病院で受けてきた看護婦が,このイリノイ大学の附属であり,研究と教育の為の病院という特殊な一つの組織にはいった場合に,過去の基礎の教育や,経験をもとにしてまた能率よく,そして理解のある良い仕事ができるように,長期間にわたつて継続的にまた建設的に仕事ができるように,一つのクラスが計画されているわけです。さらに,一看護婦としてこの組織全体の理解を深め,勤務の状態や部分的なやり方の特徴の説明をきいたり,大きな病院の何がどこにあるかなどの紹介を受け,職員全体への協力の仕方などを,偶発的に知るのでなく,一連の学ぶべきこととしているわけです。
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