焦点
ハンセン病熊本地裁判決に学ぶ
清水 昭美
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1元:大阪大学医療技術短期大学部
pp.618-621
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902555
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2001年5月11日,「ハンセン病国家賠償訴訟」において,熊本地裁は原告全面勝訴の判決を下した.翌日の朝刊に掲載された判決要旨を読み,よくぞここまでまとめられたと,感動したのは私1人ではないだろう.この熊本地裁の判決から2週間以内に,国は控訴するかしないかを決定しなければならない.新聞各紙は「控訴」の方向で進むと信じて疑わない紙面を作っていたから,23日の「控訴断念」の決定は,喜びと驚きが一緒になって押し寄せてきた.しかし,その報道を前に,元患者を思って「よかった」と安堵し,元患者の側に立って喜ぶことで,にわかに理解者になったつもりで終わってはならないのではないか.
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