解説
白内障手術後眼内炎に関して医師側の過失を認めた判決の教訓—東京地裁,平成13年1月29日判決全文を読んで
岩瀬 光
1,2
1岩瀬眼科医院
2武蔵野赤十字病院眼科
pp.1764-1765
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907537
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1.はじめに
東京地裁の白内障術後眼内炎に関する判決が最近出された。今まで,仲裁・和解例はあるが,調べる限り裁判例は初めてと思われるので紹介したい。(なお,双方控訴をしなかったため,この判決は確定している。)
この判決は,術後眼内炎を起こすに至った医師側に対して,眼内炎発症(術前無菌法の不十分さと後嚢破裂後の処置の不手際)について過失を認め,また眼内炎の発見の遅れ,ならびに治療の遅れも認めた厳しい判決である。
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