Scramble Zone
看護系専門学校の専任教員数および教員1人あたり学生数の規模別,設置主体別のばらつき―新カリキュラムの基準と照らした分析
大賀 英史
1
,
太田 勝正
1
,
近藤 優子
2
1長野県看護大学基礎看護学
2(社)日本看護協会専門職業務部専門職業務課
pp.148-153
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902456
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看護系教育機関の専門性を高めることを目的として,主に3年課程に向けた大幅なカリキュラム改定の基準(いわゆる新カリキュラム)が,1996(平成8)年に提示された.専任教員については学級担当制から領域担当制になったことで,従来の4人から8人(第7条4項)とされ,この基準の実施について,看護学校3年課程は1998年度から整備するように示された1,2).進学コースは,これを追う形で同様のカリキュラム改定がなされ,専任教員は7人(第7条第2項第4号),実施開始は,1999年度からとされた3).ただし,5年程度の経過措置を認めることを併記されているため,基準に示された専任教員の確保の実態は明らかではない.
看護系教育機関の教員数や学生数などの実態は,日本看護協会(以下,協会)が1991年に行った調査4)以後は報告されていない.また,協会の報告書は准看護婦養成課程から大学院までを対象としているが,公開されているのは,課程別の平均値に留まっている.平均値だけでは,基準を下回る学校がどの位あるのか,その程度がどの位かなど,実際にマンパワー不足に直面している学校の様子は分からない.これは,公開されているデータのばらつき(標準偏差や最大値,最小値)が大きい程,その傾向が強くなる.教員の配置の実態,マンパワー不足の問題などを検討するためには,基準との過不足を相殺してしまう平均値だけでなく,データのばらつきについても提示が必要となろう.さらに,単に課程別だけではなく,設置主体別の情報も必要となろう.
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