連載 クリティカルケア看護 基礎看護教育での展開・1【新連載】
クリティカルケア看護の特徴と看護者に求められる能力
池松 裕子
1
1国際医療福祉大学保健学部看護学科
pp.306-311
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902245
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今,なぜクリティカルケア看護なのか
20世紀は医学が大きな発展をとげた時代であり,さまざまな治療法が開発され,ひとびとの健康に貢献してきた。中でも,人工呼吸器をはじめとする救命医療は飛躍的に進歩し,従来致命的であった急性疾患からの回復を可能にした.これらの発展の影には,治療の効果が最大限に発揮できるよう,全身をくまなく観察し,合併症を予防し,患者の生きる意欲を支援する,という看護活動が大きな役割を果たしてきた.
しかし,看護においては,看護学および看護教育そのものの確立に時間を要し,このような医療全体の進歩に対応した発展は遅れがちであった.新しい世紀を迎え,医療および社会のニーズに合った看護分野の開発が必要とされている現在,クリティカルケア看護は専門的な看護能力を問われる分野として,教育から実践,研究までの系統的な体系づくりが望まれている.
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