研究報告
利用者が求める「訪問看護師の能力」―利用者と訪問看護師の認識の比較から
上野 いづみ
1
,
丹羽 さよ子
2
1慶應義塾大学看護医療学部
2鹿児島大学医学部保健学科
pp.804-811
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101706
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目的 利用者と訪問看護師の認識の分析によって,訪問看護ケアに必要な「訪問看護師の能力」を明らかにすること。
方法 自記式質問紙調査を行ない,利用者109名・訪問看護師109名から得られた回答を分析した。
結果 「重要」と認識される訪問看護師の能力について,利用者・訪問看護師それぞれにおいて6因子が抽出された。認識の異なる因子は利用者の「リハビリ実施・指導能力」と,訪問看護師の「ケアマネジメント能力」であった。さらに,抽出された6因子を,クラスター分析を用い,利用者-訪問看護師間で比較したところ,その認識の仕方が異なっていることがわかった。
考察 今後訪問看護の質向上を図るためには,利用者の認識の仕方をもとに,また利用者が重視していた「リハビリ実施・指導能力」を,訪問看護師も重要な能力と認識し,能力向上に取り組んでいく必要性が示唆された。
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