特集 フィジカルアセスメント
第3章 循環器系のフィジカルアセスメント
循環器系のフィジカルアセスメント―聴診技能の徹底的な習得をめざして
山内 豊明
1
1大分県立看護科学大学
pp.965-984
発行日 1999年11月30日
Published Date 1999/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902164
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はじめに
頸静脈拍動を確認しよう
循環器の実習では,頸静脈拍動の位置からの中心静脈圧の推定を行いましょう.これを知っておくと日常で非常に役に立ちます.心不全が疑われるとよく中心静脈圧,すなわちCVPを計りますね.しかし実際に右心房までカテーテルを挿入しなくてもCVPを推定する方法があるのです.実際にはベッドを徐々に起こしていくことで,頸静脈の拍動の最高点を確認します.それが右房の中心から何cmぐらいあるのか測定することで,CVPをほぼ推定できます.
最初のうちは,なかなか頸静脈拍動という細かい動きを同定するのは難しいものです.心臓聴診モデル人形を使うとよいでしょう.たとえば「イチロー」(京都科学)は,頸静脈拍動が出せるようになってますので,デモとしては安心して供覧できます.そのようなツールがない場合には,教える側の私たちが,確実にこれが頸静脈拍動だと自分たちで確認して示すことができないと,学生に伝えづらいですね.
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