特集 臨床教育に『イチロー君』活躍する
聴診技術の習得をめざして
川端 京子
1
1大阪市立大学看護短期大学部
pp.342-345
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902252
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はじめに
今日,医療技術の発達はめざましいものがあり,診断機器やモニター機器などを活用し,診断・治療する医療が行われている.それに伴い,看護の分野でも各種のモニターの監視や人工呼吸器など複雑で精巧な医療機器を駆使するまで実践範囲は拡大している.しかし,いかに医療機器類が進歩しても,看護職者が五感を使ってフィジカルアセスメントを行い,身体的・生理学的な問題をあきらかにすることの重要性は変わることがない.すなわち,視診・触診・聴診など,的確な技術と鋭い観察によって,異常をとらえ,それが何に起因するか,病態の変化を読み取り,効果的な処置や援助につなげることができると考えるからである.
昨今,臨床現場では看護職者が聴診器を用いて,肺雑音や心雑音を聞き分けるなど,聴診技術は一般的で必要な看護技術になってきている.さらに,訪問看護や在宅看護においては,医療専門家として,クライアントをリアルタイムでみているのは自分だけであり,看護職者自身で判断し,適切な援助をするためにも聴診技術は必要なアセスメント能力となっている.
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